4日目続き

 窓をなおしてもらってる間にも、僕は夕食の準備を着々と進める。まずは、カキの缶詰に
 醤油をたらしてそのまま温めるだけ。これが前菜。その後は、スパゲッティのソース2種
 類に取りかかる。ミートソースはフライパンにビーフシチューの缶詰を入れて、出汁代わり
 にチキンコンソメを入れて温める。ちょっと味が弱かったので、MACを買ったときについて
 いたケチャップを入れる。これだけ。もっと調味料とかあれば色々試したんだけどしょうが
 ない。ホワイトソースの方はボンゴレロッソのクリームソースをベースにチキンコンソメで
 味をちょっと濃いめにしてミルクを入れたりする。具が少ないと思い、ツナ缶もプラスする。
 塩、胡椒を入れて味を調える。味見をしたら・・・・、かなりしょっぱい。コンソメを入れすぎ
 たか・・・。しょうがない、ミルクを大量投入。何とか味が調う。

 が、ここで大問題。麺を茹でようと思って一番大きい鍋で、お湯を沸かしていたが、
 なかなか沸かない。どうやら、完全に沸騰させることは出来ないみたい。ピーンチ。
 麺が茹でられなかったらせっかくのソースが・・・。うーん、鍋の中では小さな気泡は
 出来ているけど、グツグツと沸騰するのとはほど遠い。しょうがない、麺がふやけるが、
 これくらいの状態で長めに茹でるしかない。ホントは思いっきり沸騰してるお湯でさっと
 茹でるのが良いのに・・・。いっぺんに茹でるとただでさえ火力が弱いのに、(電気コンロです)
 よけい弱くなるので、何回かに分けて茹でることにする。出来上がりはやっぱりちょっと
 茹ですぎの感じの麺になってしまった。でも、みんなは「美味しい、美味しい」と言って食
 べてくれた。感謝。3回くらい茹でて、みんなお腹一杯になったという事で、まだ麺が残っ
 てたが、これは次に泊まる人に寄付。それにしても、むらさんには感謝。茹ですぎの麺
 を全て平らげてくれるし、ソースも残った物を全て食べてくれて、料理した者にとっては、
 とっても嬉しいです。とっても作り甲斐があります。お腹が満腹になったら睡魔が襲ってきた。

 ちょっと横になろうと思って、床のうえに寝転がる。うとうと・・・遠ざかる意識の中、片づけを
 しているみんなの姿を朧気にみている。ああ、手伝わなきゃ・・・。でも、意識は混濁の渦の
 中に吸い込まれて、暗黒の闇が目の前を支配し、心地よい微睡みの揺りかごの中へといざな
 われていってしまいました。みんな、ごめんね。ZZZZ・・・。パシャッ! ピカ☆! ん?・・・・。
 眩い光に目を覚ます。どうやら誰かが僕の寝顔を撮ったらしい。今回こんな写真がヤケに多い
 気がするぞ。気が付けば、タオルと毛布が掛けてくれてある。う、う・・・なんてみんないい人な
 んだろう。涙出ちゃうよ。窓の下で眠っていた僕に、危ないから窓から離れて眠ればと言う忠告
 を頂き、ソファーの横の床に移動。たまに椰子の実が風に飛ばされて窓を割って飛び込んでくる
 らしい。さすが南国の台風。カーテンを閉め切ってるし、夜なので外はもう暗い。あまり外の様子
 が分からないが、車の前には折れた木の枝が、ロードブロックしてるし、相変わらず椰子の木は
 しなっている。風はどこかで爆撃をおこなっているような音を運んでくるし、地響きがしているよう
 にも感じる。木の家の屋根なら簡単に吹っ飛ばされてしまいそうな風の強さ。心なしかこの家も
 揺れているように感じる。大丈夫だろうか。


 窓際で寝返りうって・・・












 今日はもう帰れないだろうと覚悟を決める。ただ、夜中に風が止むようだったらりん☆さんを送っ
 ていかないといけないなとは思うが、風が止む可能性はかなり低いだろう。とにかく今のうちに
 眠っておいて夜中でもいつでも動けるようにしておこうっと。他のみんなはそれぞれ思い思いに
 過ごしているよう。僕は失礼して一人居眠りモードに突入。夜中になれば、なるほど風はいよいよ
 激しさを増す一方。りん☆さんも覚悟を決めてソファーで眠っている模様。でも、眠りはそんなに
 深くないよう。あまりの風の強さに僕の眠りも浅い。夜中に1度だけ窓の外を見たが、この世の終
 わりが来たのかと思えるほど風が怒り狂っていた。遠くで椰子の木の葉が狂ったように回っている。
 まるで壊れたメリーゴーランドだね。こうして嵐の夜は過ぎていった。これで、明日の朝には嵐が
 通り過ぎていてくれればよいのだが・・・。

 つづく